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目の研究 / ドライアイ / 2007

2007年のドライアイ研究:注目すべきヒト対象研究32件

この年の研究では、ドライアイが日常生活にどう影響するか、どのように測定するか、どの治療が特定の患者集団で有望かが検討されました。

本、パソコンの画面、道路のそばにある目

2007年の概観

注目すべきテーマは3つあります。

  • 医療従事者を対象とした2つの大規模コホートでの研究で、ドライアイが、読むこと、パソコンでの作業、運転の難しさと関連づけられました。
  • 研究者らは症状の質問票と画像検査の方法を改良するとともに、涙液検査がこの病気の異なる特徴を捉えていることを示しました。
  • 治療研究は、点眼薬のランダム化比較から、血清製剤や強膜レンズについての対照のない小規模な報告まで多岐にわたりました。

リンク付きの見出しを選ぶと、PubMed、出版社のウェブサイト、またはDOIページで各研究を確認できます。リンク先はいずれも英語です。

研究からわかること

2007年、研究者らは、ドライアイが日常の見る作業に及ぼす影響と、涙液層、眼表面の細胞、角膜の神経の変化の両方を調べました。外来での1つの検査だけで、全体像を捉えることはできませんでした。治療の比較からは特定の製剤や患者集団についての手がかりが得られ、対照のない小規模な報告は、より確かな試験で検証すべき課題を示しました。

治療と長期のケア

いくつかの比較で、点眼薬や涙液を目にとどめる方法が検証されました。症例集積では治療の難しい病状が検討されましたが、ランダム化試験ほどには治療の効果を切り分けることができません。

  1. シクロスポリン、涙点プラグ、その併用

    ドライアイの患者30人が、シクロスポリン点眼、下涙点プラグ、またはその両方にランダムに割り付けられ、6か月間追跡されました。プラグを使用した群は涙液による潤いが早く増え、シクロスポリンを使用した群は、後になってローズベンガル染色の改善が見られました。6か月後、併用はプラグのみの場合より人工涙液の使用を大きく減らしました。各群が約10人しかいなかったため、この比較は、すべての患者に望ましい治療法を確立するには小さすぎました。

  2. 臍帯血清と患者自身の血清の比較

    前向きの比較で、重度のドライアイの患者48人が、自己血清または提供された臍帯血清の点眼による治療を2か月間受けました。どちらの群も改善しましたが、症状と眼表面の障害のスコアはおおむね臍帯血清のほうが良好で、シェーグレン症候群の集団では杯細胞についても優れていました。治療はランダムではなく患者ごとに決められており、一部の参加者については両眼が解析に含まれていました。

  3. 小規模な症例集積での多血小板血漿点眼

    症状のあるドライアイの連続する18人の患者が、自分の多血小板血漿から作った点眼を1か月間使用しました。大半の人が改善を報告し、研究者らは、染色の減少と、涙液メニスカスおよび結膜細胞の指標の改善を観察しました。比較群がないため、変化のうちどの程度が点眼によるものか、効果が続くのかどうかは、この研究からはわかりません。

  4. タマリンド種子多糖類とヒアルロン酸の比較

    非盲検のランダム化研究で、30人の患者が、2種類の濃度のタマリンド種子多糖類のいずれか、またはヒアルロン酸点眼に割り付けられ、90日間使用しました。忍容性と測定された結果の大半は同様で、高濃度のタマリンド製剤は、本人が訴えるいくつかの症状でより良好でした。各群が10人で盲検化もされていないため、この製剤には眼表面に結合するという興味深い性質があるものの、小さな差は不確かです。

  5. ヒマシ油の乳剤が涙液の蒸発を減らした

    評価者を盲検化した1か月間のランダム化研究で、軽度から中等度のドライアイがある53人が、ヒマシ油の乳剤またはヒプロメロース点眼を使用しました。涙液の蒸発はどちらの群でも減りましたが、乳剤のほうが大きく減り、涙液分泌と浸透圧には有意な変化がありませんでした。この生理学的な結果は脂質を含む点眼が役立つ可能性を示唆していますが、この試験は、症状を長期的により良く抑えられることを確立したものではありません。

  6. 点眼後1時間における3種類の潤滑剤の比較

    50人の患者が、市販の3種類の潤滑剤を比較する二重盲検のランダム化クロスオーバー試験を終えました。ヒドロキシプロピルグアーを配合した製剤は、その後1時間のいくつかの時点で、カルボキシメチルセルロースを配合した2つの製剤より涙液層破壊時間を長く延ばしましたが、眼表面の保護を示す指数での差はより小さいものでした。これらは眼表面の短時間の測定であり、快適さがより長く続くことや臨床的な結果が良くなることを証明するものではありません。

  7. 中程度の粘度のカルボキシメチルセルロース人工涙液

    ある報告は、人を対象とした3つの研究をまとめたもので、その中には、39人での盲検化クロスオーバー実験と、103人での1か月間の盲検化ランダム化比較が含まれていました。粘度の高いカルボキシメチルセルロース点眼は、涙液による短時間の保護を長くし、染色と症状を改善しましたが、使用者は、粘度の低い点眼よりかすみが多いと報告しました。それぞれの研究のデザインと評価項目は、1つの大規模な試験としてではなく、個別に読む必要があります。

  8. 2種類の乳剤点眼が油層に及ぼす作用

    症状があり涙液層の油層が薄い41人が、左右の眼に異なる製品の乳剤点眼を1滴ずつ受けました。どちらも、測定された油層の厚さを15分間にわたって増やし、一方のほうが大きく増やしました。この実験は直後の物理的な作用を測定したものであり、油層が厚くなったことで症状が軽くなったり保護が長く続いたりすることを示したものではありません。

  9. シェーグレン症候群に伴うドライアイでのステロイド短期集中治療後の再発

    シェーグレン症候群に伴う乾性角結膜炎の患者53人が、防腐剤を含まないメチルプレドニゾロン点眼を徐々に減らしていく治療を受け、再発の有無を追跡されました。症状、染色、涙液の指標は改善しましたが、約5人に1人が最初の治療の後に再発しました。この対照のない症例集積は、選ばれた集団についての追跡情報を示すものであり、より広く使用した場合の相対的な有効性や安全性を確立するものではありません。

  10. シリコーン製涙点プラグは、どのくらいの期間とどまっていたか

    前向きコホート研究で、ドライアイの患者47人に挿入された95個のシリコーン製プラグが、最長8年間追跡されました。保持率は、3か月後の約84%から、中央値で2年後には約56%に低下し、プラグが自然に脱落した後に涙小管が狭くなった眼もありました。この研究は製品の耐久性と合併症を示したものであり、症状の改善をほかの治療と比較したものではありません。

  11. 移植片対宿主病による重度のドライアイに対する強膜レンズ

    慢性移植片対宿主病による重度のドライアイがある連続する33人の患者が、従来のケアで効果が得られなかった後に、強膜レンズを使用しました。その後の調査では、痛みやまぶしさが減り、読むことや運転がしやすくなったと報告した人が多くいました。この調査は後ろ向きで、無治療の比較対照もなかったため、治療効果の大きさは不明のままです。

  12. シェーグレン症候群による重度の乾燥での片眼の涙点閉鎖

    シェーグレン症候群に伴う重度のドライアイがある20人で、研究者らは、普段の点眼を続けながら、ランダムに選んだ片眼の上下の涙点にプラグを挿入し、もう片方の眼は治療しないままにしました。6週間以上を終えた13人では、プラグを挿入した眼で不快感とローズベンガル染色が改善しましたが、シルマー試験の値は改善しませんでした。7人が途中でやめたことと、最終的な対象が少ないことから、結果の確かさには限界があります。

日常生活への影響、手術、環境

ここで紹介する研究は、ドライアイを日常の作業と結びつけ、屈折矯正手術の後や、環境またはホルモンの影響のもとでの変化を調べました。

  1. ドライアイと日常の見る作業の難しさ

    Women’s Health StudyとPhysicians’ Health Studyの中で行われた質問票による副次研究で、診断を受けた、または強い症状のあるドライアイがある参加者とない参加者が比較されました。健康に関するいくつかの要因を調整した後も、ドライアイは、読むこと、パソコンの使用、仕事、テレビを見ること、運転がより難しいことと関連していました。自己申告による横断的な結果は、無視できない負担があることを示していますが、ドライアイだけがそれぞれの難しさの原因であることを証明するものではありません。

  2. LASIKの6か月後のドライアイ

    後ろ向きの症例集積で、術前にドライアイの症状を訴えていなかった患者のLASIK後の190眼が評価されました。6か月後、約20%の眼が、この研究の持続的なドライアイの定義を満たし、女性であることと、目標とした屈折矯正量が大きいことが、リスクと関連していました。眼ごとの解析であり、単一の手術施設での結果であるため、この割合を現在の手術にそのまま当てはめるには限界があります。

  3. 強度近視に対するLASIK後に続く症状

    強度近視に対するLASIKの2〜5年後に検査を受けた20人の患者が、10人の対照者と比較されました。手術を受けた群の半数以上がドライアイの症状を訴えましたが、涙液分泌、涙液層破壊時間、測定した角膜知覚にははっきりした差がありませんでした。この小規模な横断的な対象から症状の原因を確定することはできませんが、通常の検査所見が伴わなくても不快感が続くことがあるという点を改めて示しています。

  4. フェムトセカンドLASIKのヒンジの位置は、ドライアイに関する結果を変えなかった

    左右の眼を比較するランダム化研究で、両眼にフェムトセカンドLASIKを受ける33人を対象に、フラップのヒンジを上方に置く場合と耳側に置く場合が比較されました。角膜知覚は術後に両眼で低下し、1年後までの測定時点で低いままでしたが、ヒンジの位置によって、知覚にもドライアイの指標にも検出できる差は生じませんでした。これは用いられた術式でのヒンジの向きについての結果であり、屈折矯正手術のあらゆる方法に当てはまるものではありません。

  5. 月経周期に伴う眼表面の指標の変化

    ドライアイの症状がある女性14人と症状のない女性15人が、2周期にわたって、月経周期の3つの時期に検査を受けました。症状と、涙液および眼表面のいくつかの指標は、ホルモンの時期によって変動し、症状のある群のほうが変化が大きくなっていました。この小規模な観察研究は、検査の時期が測定値のばらつきの一因になりうることを支持していますが、特定のホルモンの値がドライアイを引き起こすことを示すものではありません。

  6. 航空機内のような低湿度で、涙液の蒸発が増えた

    環境制御室での実験で、ドライアイの患者18人と健康なボランティア11人の涙液の蒸発が、2段階の湿度の範囲で測定されました。対象全体で見ると、航空機内に近い低いほうの湿度条件では、蒸発がほぼ2倍になっていました。これは乾燥した空気がすぐに及ぼす物理的な作用を示すものであり、旅行の後に病気が続くリスクを推定するものではありません。

  7. 乾燥した環境制御室で、症状がごく軽い眼に変化が現れた

    症状がごく軽いコンタクトレンズ装用者10人が、乾燥した環境制御室で2時間過ごし、1か月後に、より一般的な室内環境で2時間過ごしました。レンズを装用していないときは、乾燥した条件で涙液と眼表面のいくつかの指標が悪化し、レンズを装用しているときは、どちらの条件でも一部の指標が変化しました。こうした影響は元に戻るものでしたが、対象が少なく、条件の順番も固定されていたため、結果を一般化するには慎重さが必要です。

  8. 防腐剤を含む緑内障点眼薬は、目の不快感の多さと関連していた

    4か国の診療現場での調査で、防腐剤を含む、または含まないβ遮断薬の緑内障点眼薬を使用している9,658人の患者が調べられました。目の乾燥感を訴えたのは、防腐剤を含む点眼薬の使用者の35%、防腐剤を含まない点眼薬の使用者の16%でした。その後、防腐剤を含む点眼薬の使用を減らした患者の多くでも、症状と眼表面の所見が減りました。治療はランダムに割り付けられておらず、患者の登録も連続的ではなかったため、この比較から防腐剤の影響を切り分けることはできません。

質問票と涙液の測定

患者の報告に基づく評価尺度と画像検査の方法が、以前からある検査と並んで開発されました。検証に用いた対象と基準がそれぞれ異なるため、1つの結果だけでドライアイを定義することはできません。

  1. 外来の対象におけるOSDIスコアと涙液検査

    外来の患者68人が、シルマー試験と涙液層破壊時間の検査の前に、OSDI(Ocular Surface Disease Index)に回答しました。症状スコアが高いほど涙液層破壊時間が短くなっていましたが、シルマー試験の値とのはっきりした関連はありませんでした。この研究は、OSDIが体系的な症状の評価法であることを支持していますが、集めやすい人を対象とした小規模な研究であり、独立した診断の基準もないため、診断精度についての主張には限界があります。

  2. 短い症状スケールSANDE

    研究者らは、短い視覚的アナログスケールであるSymptom Assessment iN Dry Eyeを52人の患者で前向きに検証し、数日後と数か月後に繰り返しました。スコアは数日の間隔ではおおむね良好に再現されましたが、2か月の間隔では変動が大きくなりました。このスケールは症状を追跡する簡便な方法となりましたが、著者らは、さらなる改良と、より大きな集団での検証を求めました。

  3. 間隔尺度によるOcular Comfort Index

    12項目のOcular Comfort Indexが開発され、スコアの差をより解釈しやすくするための方法を用いて、452人の参加者で検証されました。再現性は良好で、スコアは別のドライアイ質問票や涙液層破壊時間と連動しており、潤滑剤を使用した後の症状の変化も捉えられました。有望な測定の手段でしたが、臨床で役立つかどうかは、さまざまな集団での検証になお左右されます。

  4. シェーグレン症候群における涙液メニスカスの非侵襲的な画像検査

    涙液の干渉像を用いた画像検査の方法で、シェーグレン症候群の患者27人と健康なボランティア17人の下方の涙液メニスカスの高さが測定されました。メニスカスは患者群のほうが低く、少人数の集団では、涙点閉鎖の後に高さが増しました。この概念実証は、目に触れることなく涙液量を追跡できることを示していますが、診断の性能はより大きな規模で検証する必要があります。

  5. シェーグレン症候群とそのほかの涙液減少型ドライアイにおける涙液の蒸発

    症例対照研究で、換気式のチャンバーを用いて、シェーグレン症候群に伴う涙液減少の患者21人と、シェーグレン症候群を伴わない涙液減少の患者12人の蒸発が比較されました。蒸発はシェーグレン群のほうが多く、この群では油層とマイボーム腺の所見も悪くなっていました。両群とも少人数で臨床的な違いもあったため、この結果が示しているのは1つのパターンであり、単独で使える診断の基準値ではありません。

  6. 症状のある閉経後の女性における涙液浸透圧

    ホルモン療法を受けていない閉経後の女性37人のうち、ドライアイの症状を訴えた人は、症状のない人より涙液浸透圧が高く、涙液のシダ状結晶のパターンも異なっていました。浸透圧とシダ状結晶の間には、強い相関はありませんでした。症状で分けたこの小規模な比較は、これらの検査が関連はあるものの異なる涙液の性質を捉えていることを示唆していますが、普遍的な閾値を確立するものではありません。

  7. 染色のパターン、涙液の不足、マイボーム腺の脱落

    ドライアイの患者22人と対照者11人が、リサミン染色、シルマー試験、マイボーム腺の評価を受けました。染色が強いほど涙液分泌が少なく、腺の脱落は患者群に多く見られました。この小規模な横断研究は染色のパターンを解釈する助けになりますが、腺の変化が眼表面の障害より先に起きたのかどうかは判断できません。

  8. 標準的な写真から測定した涙液メニスカスの高さ

    研究者らは、健康なボランティア19人とドライアイの患者14人のフルオレセイン写真で、涙液メニスカスを測定しました。上下のメニスカスはドライアイ群のほうが小さく、高さはシルマー試験の結果と相関していました。この方法は涙液量の評価をより身近なものにする可能性がありますが、対象が限られていたため、日常診療でドライアイをどの程度正確に見分けられるかは確立されませんでした。

角膜と炎症の生物学

人の組織や画像検査を用いた小規模な研究は、涙液量だけでなく、炎症、角膜の神経、結膜の細胞にも目を向けました。

  1. ドライアイの涙液に含まれる炎症性タンパク質

    ドライアイの患者18人と対照者14人の涙液検体で、インターロイキン6と腫瘍壊死因子αが調べられました。どちらも患者群で高く、インターロイキン6は、涙液と眼表面のいくつかの指標とも連動しており、非シェーグレン型よりシェーグレン症候群によるドライアイで高くなっていました。この小規模な観察研究は炎症が関わっていることを支持していますが、これらのタンパク質が臨床検査として検証されたわけではありません。

  2. シェーグレン症候群における角膜の細胞と神経

    生体共焦点顕微鏡を用いて、シェーグレン症候群の35人と、条件をそろえた対照者20人が比較されました。シェーグレン群では、角膜が薄く、表層の上皮細胞と基底下の神経が少なく、神経の蛇行も強くなっており、一部の画像所見は臨床所見と関連していました。横断的な画像は構造の違いを明らかにしますが、それがいつ、なぜ生じたのかを確定することはできません。

  3. ドライアイでは、角膜の神経の密度が知覚と関連していた

    共焦点顕微鏡検査と非接触型の知覚検査を用いて、シェーグレン症候群を伴う、または伴わないドライアイの21人と、健康なボランティア20人が比較されました。ドライアイの眼では、角膜の基底下の神経が少なく、機械的、化学的、温度の刺激への感受性も低く、神経の密度は測定した知覚と相関していました。この小規模な症例対照研究では、神経の変化がドライアイより先に起きたのかどうかも、このパターンがすべての臨床的なサブタイプに当てはまるのかどうかも示せません。

  4. LASIKの直後に見られた杯細胞の減少

    研究者らは、11人の患者で、LASIKの前と、1週間後および1か月後に結膜の細胞を採取しました。杯細胞密度はどちらの追跡時点でも低く、手術または吸引リングを用いる操作が眼表面に影響したことが示唆されました。対象がごく少なく、手術を受けていない対照もないため、この変化が患者のドライアイの症状にどの程度関わっていたかはわかりません。